ZGRL-80 ビデオライトの分解分析、回路設計の検証

ZGRL-80 ポートレート用LEDライト/携帯型COB補光灯の詳細分解と回路設計分析
分解動画:https://www.bilibili.com/video/BV1BR3bztE32/

はじめに

2024年12月16日に天猫の「比奥斯数码专营店」で188元で購入したZGRL-80補光灯。仕様として80Wの消費電力、65W PD急速充電(実測で虚偽と判明)、10,000mAhバッテリーを謳っている。
淘宝のカスタマーサポートに苦情を申し立てたが、100元のクーポンのみの補償で、販売業者は何の処罰もなく商品は販売継続中。業者は「65W PD急速充電対応」の記述を削除しただけである。

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仕様の虚偽表示

購入時(2024.12.16)の商品説明には「65W(PDプロトコル)Type-C急速充電対応」と記載されていたが、執筆時の2025年7月1日時点で「Type-C充電対応」に変更されている。これは事実上の虚偽広告の認定ではないか?(取引スナップショットで証拠あり)

また商品説明画像には「80W大出力」と記載されているが、商品仕様欄には60Wと記載され矛盾している。

製造企業は「深圳市美美一族科技有限公司」と記載されている。

65W PD急速充電器でZGRL-80を充電テストしたが、実際には5V2A未満の充電しかできず、点灯時も同様。(後述の分解で急速充電非対応であることが証明される)

筆者が購入した他の補光灯は65W PD急速充電を謳っており、実際にPDプロトコルをトリガーして20V出力している。こちらは40Wのライトでバッテリーは満充電状態のため、画像の出力は40.9Wと表示されている。

ZGRL-80のDCポートに20V電圧を入力した場合、充電出力は16.7W。点灯状態で明るさを100%、色温度を中間に設定した際の充電+LEDの総消費電力は62.3W。つまりLED部分の出力は実際には約40Wであり、これも仕様の虚偽表示である。

分解

2つのツマミのキャップを外し、ディスプレイ側の4本のネジを外す。

基板背面にはLEDとバッテリーなどへの配線が見える。

「Y」のラベルはLEDの暖色系負極、「+」は暖色・寒色LED共通の正極、「W」(隠れている)は寒色LEDの負極。

COB LED駆動用のMOSFETはFQD50N06(VBsemi製NチャネルMOSFET、60V 58A)。暖色・寒色LEDの負極に接続。隣の120mΩ抵抗は電流検出用。

下部にはFQD70N10(100V 70Aと推定)のMOSFET(Q3)。LED正極への昇圧回路のスイッチング素子と推定。

右側にはFQD30N04(40V 30Aと推定)のMOSFET(Q1)。Type-C入力の昇圧回路用スイッチング素子と推定。

下部にはCMD50P06(60V 50A)のPMOSFET(Q6)。DCポート入力の降圧回路スイッチング素子と推定。R34の120mΩ抵抗は充電電流検出用。

隣接するSB10100Lショットキーダイオード(100V 10A、順方向電圧降下0.85V)はLED昇圧回路入力端に接続され、バッテリー正極とDCポート正極に接続。SS56ショットキーダイオード(60V 5A、順方向電圧降下0.7V)も使用されている。

基板の4本のネジを外すと基板正面が見える。

液晶ディスプレイ左側のTM1621BはLCDドライバチップ。TM1621B下部の黒いケーブルはNTCサーミスタ接続用。

右側の10μHインダクタ隣の10ピンチップCN3765はPWM降圧式多機能バッテリー充電管理IC(最大充電電流4A)。実測では入力は1A未満、出力は約1A。データシートより電流検出ピン最大120mV、本回路のR34検出抵抗は120mΩのため、設計充電電流は1A。Q6(MOSFET)、D8/D9(SS56)はDCポート充電管理用。D9はフリーホイールダイオード、D8はバッテリー電圧の逆流防止用。

中央の24ピンチップはMCU(型番は削除済み)。

中央15μHインダクタ右側のFP7208(Feeling Technology製非同期PWM昇圧LEDドライバ、4.5V~24V動作)は、マイコンによるPWM/電圧信号でDC調光制御。昇圧回路のスイッチング素子はQ3、ダイオードはD4、フィルタコンデンサはEC5。出力はLED正極に接続(明るさ100%時23.5V測定)。

Type-Cポート右側のOC6801B(欧創芯製昇圧/昇降圧用DC-DCコントローラ)は5V~40V入力対応。本回路では昇圧モード使用。スイッチング素子はQ1、ダイオードはD1、フィルタコンデンサはEC2。R3(120kΩ)からスイッチング周波数211.8kHzに設定(データシート計算式より)。昇圧出力はDCポート正極に接続(充電中は14.4V測定)。

Type-Cポートは6ピン構成。CCピンには5.6kΩ抵抗(通常は5.1kΩ)。急速充電プロトコルチップは未搭載のため5Vのみ対応。プロトコルチップ追加でコスト1元未満で20V誘導出力が可能だったが、なぜ採用しなかったか不明。


電源部の簡易回路図。Type-C入力は昇圧後DCポート正極に接続されるが、DCポート負極はGNDに直接接続されず、ダイオードD2を介して接続され、Type-C入力時のDCポート出力電圧を防止。

LED部の分解。アルミヒートシンクに固定されたLEDとファン。中央のバッテリーパックは4本の18650電池直列(14.8V、2500mAh、37Wh、2024年11月製造)。

分解終了。以下は各種動作時のサーマルイメージ。

発熱状況(サーマルイメージ)

バッテリー駆動、明るさ100%、色温度中間時の基板背面。D3ダイオードは100度以上、R35電流検出抵抗も高発熱(室温約27℃)。

バッテリー駆動、明るさ100%、色温度中間時の基板正面。D4ダイオードは85度以上(室温約27℃)。

Type-C充電時の基板背面。Q1 MOSFETは79度以上(室温約25℃)。

DCポート充電時の基板背面。最高温度63度以上(背面はD8ダイオード、室温約25℃)。

明るさ100%点灯時のLED最高温度94度以上(室温約27℃)。

撮影時間の違いで室温が変化している。

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記事の英語版:https://blog.zeruns.top/archives/62.html