詳しい方々に質問です。コモンモードチョークはターン数が多いほど効果が上がるのでしょうか?このターン数はコアの材質や断面積によって決まるのでしょうか?つまり、磁束が飽和してはいけないということでしょうか?
必ずしもそうとは限りません。ターン数を増やせば確実にインダクタンスは高くなり、低周波ノイズの減衰には有利です。しかし、ターン数が多いということは巻線間容量も高くなることを意味します。そうなると自己共振周波数(SRF)が著しく低下し、高周波フィルタリングの性能が犠牲になってしまいます。結局のところ、基板上で実際に抑制したい特定のノイズ周波数をターゲットにすることが全てなのです。
そうではありません。巻数が増えると、低周波のインピーダンスは確かに上がり、低域のフィルタリング効果も良くなりますが、その代償として寄生容量(分布容量)も大きくなってしまいます。寄生容量が大きくなると、インダクタの自己共振周波数(SRF)が低周波側にシフトし、高周波帯域のフィルタリング効果が急激に低下してしまいます。飽和の問題については、コモンモードインダクタは理想状態では主電流によって発生する磁束が互いに打ち消し合うため、そう簡単には飽和しません。一般的には、巻線工法に起因する漏れインダクタンスが大きな差動電流に遭遇した際に飽和が発生します。部品選定にあたっては、結局のところ実際に基板がクリアできないEMIの周波数帯域に応じて、適切な対策を講じる必要があります。
簡単にまとめると:
- 多ければ良いというわけではない。 巻数が多い=インダクタンスが大きい(低周波において有利)が、層間容量も大きくなる(高周波特性が悪化する)。これは典型的なTrade-off(折衷)である。
- 材質と断面積について。 おっしゃる通り、コアの初透磁率と断面積が1ターンあたりのインダクタンス(AL値)を決定しており、これは巻数を設計する際の物理的な制約条件となる。
- 飽和について。 コモンモードインダクタは主にコモンノイズを除去するために使用されるものであり、正常動作時のノーマルモード電流の磁束は互いに相殺される。飽和を防ぐためにポイントとなるのは、漏れインダクタンスの大きさとシステム内の非対称電流であり、単にコモンモード電流だけを見ることではない。
最初の質問にお答えしますと、いいえ、これは典型的なエンジニアリングのトレードオフです。ターン数を増やすと低周波数域でのコモンモードインピーダンスは増加しますが、分布容量も大きくなります。コアについてですが、材料の透磁率と断面積が$A_L$値(ターン数の2乗あたりのインダクタンス)を決定するというおっしゃる通りです。さらに、コモンモードチョークでは動作時の差動モード電流による磁束が打ち消し合うため、コアの磁気飽和が問題になるのは、主に漏れインダクタンスが大きい場合や不平衡DC電流が存在する場合のみです。
なあ、もしターン数が多けりゃ多いほどいいっていうなら、メーカーとしちゃあ毛糸玉みたいに巻きまくって高値で売りたいくらいだぜ
。インダクタってやつは「中庸の道」が基本なんだよ。巻きすぎると直流抵抗(DCR)が増えて発熱がひどくなるだけじゃなく、高周波になるとそのまま「裏切って」キャパシタに化けちまう。君の言う断面積と材質が、どれくらい巻けるか、インダクタンスをどれくらい出せるかを左右するのは確かだけど、設計じゃ低周波と非飽和ばかり気にしちゃダメだ。分布容量こそが高周波EMIの究極のキラーなんだから!